当店はiPhone修理専門店でMacBookの修理サービスは行っていませんが、個人的に使用しているMacBook Pro 15インチ MID2010で再起動を繰り返す現象が発生してたのを直してみたのでご紹介します。
このMacBook Proは2010年発売で既に発売から8年も経っていますが色々とカスタマイズしていて愛着があるので、まだまだ使って行きたいと思い修理する事にしました。
カスタマイズ内容は以下のとおりで、出来るところは全てカスタムした状態です。
HDDからSSD(512GB)化
メモリ最大容量の8GBへ増設
使用しないDVDドライブは取り除きHDDマウントを使ってSSDとHDDの2台搭載
ちなみに、この再起動を繰り返す症状は1年以上前から発生していて、ネットをみると他のユーザも「gpu panicで再起動を繰り返す」と色々なブログや掲示板での書き込みが散見されます。
再起動が発生した時にログを確認すると「GPU Panic 」が発生しているのが確認できます。もし、同様の症状が発生していたら「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「コンソール」を開いて「システム診断レポート」の「Kernel〜」から始まる項目を確認してみてください。
また、Appleもこの問題を認識していて「MacBook Pro (15-inch, Mid 2010):断続的に画面が黒くなったり映像が中断したりする」というサポートサイトを公開してい無償修理プログラムを実施してました。
ただ、既に8年も前の機種のため、無償修理プログラムの終了はもちろん、Appleではビンテージ扱いで修理自体を受け付けてくれません。
と言うワケで自分で修理するしかありません。
再起動が発生する仕組み(原因)
「gpu panicが発生して再起動する」と言うわけで、GPUに何かしらの不具合が発生していると思われます。
ちなみに、GPUとは画面を描画する機能です。
MacBook Pro 15インチ MID2010には「Intel HD Graphics」と「GeForce GT 330M」の2種類搭載されていて画面描画の負荷によって自動で切り替える様になっています。
描画の負荷が高くなると「GeForce GT 330M」に切り替わりgpu panicが発生して再起動をするという状況です。
と言うワケでGeForce GT 330Mを使わなければ「gpu panic」は発生しないので勝手に再起動しません。
ただ、このGPUは自動切り替えでIntel HD Graphicsに固定する事は出来ません。
そこで「gfxCardStatus」が登場です。
このソフトでGPUを「Integrated Only」にチェックを入れると「Intel HD Graphics」に固定することができます。
ちなみに1年前ぐらい前から「gfxCardStatus」で騙し騙し使っていましたが、それでも時折GeForce GT 330M側に切り替わる事があり、再起動してしまう事があります。
この「gfxCardStatus」では根本的な解決にはならないのでマザーボードの修理をする事にしました。
MacBook Pro マザーボード修理
海外のサイトなど色々と調べていましたら「GeForce GT 330M」側には本来1.5Vの電源が供給されているのですが、不具合が発生すると供給電圧が下がってしまうとの事です。
そして、問題解決にはタンタルコンデンサを静電容量の大きな物に交換したらいいとの事です。
まずは、Amazonでタンタルコンデンサーを購入 https://www.amazon.co.jp/gp/product/B074N2JVNJ/ref=oh_aui_detailpage_o00_s00?ie=UTF8&psc=1
MacBookを分解して問題となるタンタルコンデンサーを見つけます。
タンタルコンデンサーを外す途中で写真を撮ったので汚くなっていますがピンク色の四角で囲ったところが問題となるタンタルコンデンサです。
外したら新しいタンタルコンデンサをハンダ付けしたいところですが、大きさが全然違い倍ぐらいの大きさになりそのままではハンダ付けができません。
そのため基板のグランド側を削り下にあるパターンを露出させてサイズを合わせます。
十分な大きさに削り終わったら予備ハンダをします。
新しいタンタルコンデンサをハンダ付けします。
これでマザーボードの修理完了です。
修理してから1週間程度のあいだ日常的に使用していますが再起動や「gpu panic」は発生していません。
これでまだまだ、使っていけそうです。
今回はiPhone修理のご紹介ではありませんでしたが、iPhoneでは基板修理も提供していますのでお気軽にご相談ください。